よろず日報

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シャラポワ対ITF抗争勃発!?仲裁に入るCASとはどんな組織?

2016年の3月から、向こう2年間の出場停止処分を受けていたマリア・シャラポワ選手が、この程期間を9ヶ月短縮されました。

早ければ、来年の4月にも大会への参加が決まりそうです。

ところが、朗報を聞いたのも束の間、今度はシャラポワ選手がITF(国際テニス連盟)を非難しています。

 

 

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不可解な一連の騒動

 

事の起こりは、2016年3月でした。

マリア・シャラポワが記者会見を開き、ドーピング検査で陽性反応を示したことを発表したのです。

当時は全豪オープンの直後であり、彼女の体内からはメルドニウムが検出されました。

 

シャラポワほどのアスリートが、違法薬物を摂取するとは考え難く、様々な憶測が飛び交っていました。

最終的に彼女が全ての事実を認めたことで、この件に関しては終止符が打たれました。

しかし、WADA(世界反ドーピング機構)の会長の発言と、ITFが彼女に課した処分は、おおよそ不当といえる内容でした。

 

しかも、バルティック国周辺のアスリートだけを罠にはめたような検査は、後々ロシアの陸上選手をも巻き込む騒動へと発展しました。

そして、多くのロシアンアスリートがオリンピックへの出場を禁止されましたが、何故かその後すぐに解禁されたのです。

今回のシャラポワに関しても、オリンピックが閉幕されたこの時期になって、ようやくCAS(スポーツ仲裁裁判所)の裁定が下りました。

 

何か胡散臭いニオイがプンプンしますが、とりあえずは今回のドーピング問題に解決の兆しが見えたかに思えたのですが、どうもそれほど単純ではなさそうです。

 

 

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ITFの陰謀説

 

そもそも、ITFとはどんな組織なのでしょうか?

イギリスに本部を置くこの連盟は、1913年に設立されて以来、テニスの国際統括団体として運営されています。

デビスカップ(国別対抗男子テニス大会)とフェドカップ(デビスカップの女子版)を主催する傍らで、グランドスラム4大会を公認しています。

 

要するに、テニス好きの白人が集まって、自分達のいいように会を立ち上げ、プロテニスプレーヤーをその傘下に置くことを目的とした団体です。

プロテニスのランキングを司っているのは、男子はATP(プロテニス協会)で、女子はWTA(女子テニス協会)です。

公認とは言っても主催しているわけではなく、実質の運営権はそれぞれの大会を主催する委員会にあります。

 

想像するに、ITFはWTOと同じように、存在はしてもそれほどの役割は担っていない名目だけの団体のようです。

ただし、国際社会を統べる白人が団体のトップにいることから、様々なことに関して横槍を入れているようです。

現在の会長はデービッド・ハガティ氏が努めており、彼は全米テニス協会(USTA)の元会長であり、2015年の9月にITFの会長に任命されました。

 

デービッド・ハガティ氏は、USTAの会長だった頃からテニス界のドラッグフリーを訴えており、シャラポワの件を耳にしたときはおそらく小躍りして喜んだことでしょう(彼の業績を見せ付けることが出来ますからね)。

それに、USTAは世界で最大を誇るテニス協会であり、その影響力はテニス界だけには留まりません。

WADAとITFが手を組んで、テニス界のドラッグフリーに乗り出したのは容易に察しがつきます。

そこで、先ず格好の標的となったのが、マリア・シャラポワだったのです。

 

 

シャラポワ側との意見の食い違い

 

現在、楽天オープンに出場中のマリン・チリッチ(Marin Cilic)選手が、2013年に開催されたBMWにおいて禁止薬物の陽性反応が出ました。

彼は、ITFによって9ヶ月の出場禁止処分を受けましたが、CASに申し立てた結果4ヶ月に短縮されました。

彼が使っていたのは、肺の機能を一時的に向上させる薬品で、薬局で買ったブドウ糖の錠剤に含まれていたものを知らずに服用したそうですが、その経緯にはいささか疑問を覚えます。

 

ただ、問題となるのは薬品の種類ではなく、出場停止期間の長さです。

2013年は、まだフランチェスコ・リッチ・ビッティ氏が会長であり、アスリートへの温情が伺えます(だから、12年もの間会長職に就いていたのです)。

しかし、ハガティー氏になってからは急に締め付けが厳しくなったようです。

 

ITFは、シャラポワの陽性反応が出たとき、規定の最長期間である4年を要求していました。

 

 

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The ITF spent tremendous amounts of time and resources trying to prove I intentionally violated the anti-doping rules and the tribunal concluded I did not. You need to know that the ITF asked the tribunal to suspend me for four years – the required suspension for an intentional violation -- and the tribunal rejected the ITF’s position.

ITFは、私が故意にアンチドーピングのルールを犯したということを証明しようと膨大な時間と手段を費やしてきましたが、審議会はそれを却下しました。言っておきますが、ITFは審議会に対し、私の出場停止処分を4年間にするよう要求したのです。これは故意にルールを犯した場合の処分期間に当たります。そして審議会はそのITFの申し立てを却下したのです。

 

 

これは、6月9日にシャラポワ選手がFacebookに投稿した記事です。

ここにははっきりと、ITFが4年間の出場停止を求めていたと書かれています。

しかし、ITFはこれを否定し、その上彼らの立場を正当化する主張を続けています。

 

さらに、ITFの聴聞会は独立した会(ITFの息がかからない人員で構成された会という意味?)だと言っていますが、この聴聞会に出席したのは全てITFの会員でした。

にも関わらず、シャラポワの陳述が受け入れられて、ITFの申し立ては却下されています。

ここだけを聞いても、何か釈然としない気分に見舞われます。

 

しかし、これまでのITFの処分を見ても、2年間の出場停止はあまりにも重過ぎ、それを不服とするシャラポワはCSAに意義を申し立てたわけです。

ITFは全く中立的立場にはなかったのですが、それでも公平性を主張しています。

そんなITFに対してシャラポワは、中立的だったのは唯一CASであり、出場停止期間が短くなったのはCASのお陰だとしています。

 

どう話を聞いても、ITFの主張には一貫性がなく、何やらシャラポワだけを貶めようとした陰謀があるように思えて仕方がありません。

 

 

CAS(スポーツ仲裁裁判所)とは?

 

競泳選手の千葉すずさんが、最も成績が良かったのにオリンピック代表に選ばれなかったことを不服として、日本水泳連盟を提訴したのがこのCAS(スポーツ仲裁裁判所)でした。

千葉すずさんについては語りませんが、当時の日泳連の基準の曖昧さには呆れたものです。

どうせ、彼女の発言がお偉方の感情を逆撫でしたのが原因でしょうが、それにしても権力を笠に着る人間が多くて困ります。

 

そんな、スポーツの内容も知らないで組織の中枢を占める輩に対して、力を持たないアスリートが権利を主張出来る場が、CASです。

IOCから独立した裁判組織で、スポーツに関する法律問題に特化しています。

本部はスイスのローザンヌ(スイスは永世中立国でもある)にあり、84カ国から、250人のスポーツに関する専門的な知識がある法律家によってのみ構成されています。

 

CASでは、ドーピング問題に関する裁定、競技結果に対しての判定の検証、出場資格を認定するか否か、などを仲裁することを役割としています。

システムは一審制であり、買っても負けても、一般の訴訟のように上告は出来ません。

リオオリンピックからは、ドーピングによる裁定処分の決定権を、IOCからCASに委託しました。

2016年10月8に開かれる五輪サミットでは、WADAの機構改変が求められています。

 

 

終わりに

 

以上の記事は、シャラポワがPBSのインタビューに応えた動画を元に書いています。

 

www.pbs.org

 

他の記事でも言っていますが、一つの団体が肥大化して権力を持つとろくな事が起こりません。

しかも、白人主導で行われるイベント(オリンピック、テニス、ゴルフ)は、どこか疑惑に溢れているとしか思えません。

石油採掘の問題にせよ、アマゾンの森林伐採にせよ、常に問題の根幹には白人がいます。

 

私は15年をアメリカで過ごし、多くの友人が白人です。

白人に対する偏見は持っていませんが、どうにもこの世界のバランスを乱しているのは彼らのように思えてならないのです。

黒人の奴隷制度を布いたのも白人であり、諸悪の根源は彼らにあるのかも知れません。

 

いささか飛躍した発想ですが、アメリカの次期大統領にトランプ氏が選出されたら、それこそ世界を巻き込んだ諍いが起こりそうに感じます。

ニュー・ワールド・オーダーが叫ばれる今日ですが、そろそろ違う人種のリーダーが現れても良さそうです。

さて、マリア・シャラポワ選手が直面するITFとの問題は、どう決着するのでしょうか?

 

 

yorozunippou.hatenablog.com

 

このまま、何事も無く終わるようには思えません。

負けるなシャラポワ!